このブログでも取り上げた『Tegra4』ですが、その『Tegra4』を搭載したNVIDIA製のAndroidゲーム機『Project SHIELD』ですが、『Tegra4』の性能の凄まじさに隠れがちな『NVIDIA GRID』というゲームの今までの常識を覆す技術について今日は触れていきたいと思います。
今までの常識だと、ゲームというのは何よりハードありき、例えば本物と見間違うように美しく、生身の人間が実際に動いているように感じることが出来るようなゲームがあったとして、ハードの性能が、そのゲームに必要な要件を満たしていなければそのゲームをプレイすることは出来ない、そのことについて疑問に思う人間は、この広い世界の中でも殆ど存在しなかったと思います。
それを覆す記述が『NVIDIA GRID』という技術であり思想です。この『NVIDIA GRID』は一言で言えばクラウド上でゲームにかかる処理を行った上で各々の環境にゲームプレイ環境を提供するという技術です。普通ならゲームをプレイするためには、そのゲームが動くという最低限の処理能力がハードには要求されますが、この『NVIDIA GRID』という技術は、クラウド上でゲームをプレイするための必要な処理を施した上で、ストリーミングを行うので、通常であればパワー不足のハードであっても、ゲームを楽しむことが可能になります。はっきりいって十年前には想像すら出来なかった技術です。ハードの進歩にソフトが追随するという構図はこの技術によって近い将来消え去るかもしれません。
ただし、オンライン上からゲームをストリーミングするのですから、やはり通信量は肥大化するでしょう。快適にプレイするためにはそれなりの通信速度とバンド幅を確保する必要があり、あまりに低速な通信環境だと快適なプレイは期待できないとも考えられます。
このクラウド型のゲーム配信方式ですが、PS4やXboxで期待されていた機能をまさかCPU・GPUの半導体メーカーであるNVIDIAがいち早く発表してしたことに、少なからず衝撃を受けたという人も少なくないのではないでしょうか。
個人的に、この技術には大いに期待しており、今までのようにゲームハードがなければプレイ不可能という構図から抜け出すことによって、今までならハードがないから気になるけど購入を見送りにしていたタイトルに目が向くこともあるでしょうし、ソフトハウスも多用なハードに対応するためのコストや労力を一点に集中できるのでソフトのクオリティや生産性を向上することも期待できます。
『Project SHIELD』はNVIDIA社が直販するという話ですが、日本でも販 売するなら個人的にはかなり気になるガジェットです。
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