カテゴリ : 仕事

4月1日、エイプリルフール、仏滅。今日この日をもって会社員生活にピリオドを打つことになりました。実際には有給消化で5月上旬までは身分上では会社員ではありますが、実質上は現時点を以って会社という組織から切り離された自由の身を謳歌できます。

このブログのタイトルにはWEBディレクターと銘打っているものの、WEB制作関連よりもはるかにガジェット関連の記事ばかりを書いてきましたが、今後もフリーではありますが、WEBディレクター及びデザイナーを続けていく所存ではあります。(ここ最近ブログの更新が出来なかったのも、引継ぎだの4月1日マストのプロジェクトを完遂するために少々無茶なすスケジュールを詰め込んでいたため。)

会社員を辞める理由としては、いままでWEB業界に携わってきて様々な経験をつんできたという自負があり、そのノウハウを持って自分がどこまで通用するのか試してみたくなったことと、その反面、所属する会社の看板を借りていたが為に許されてきたという事実がやはりあって、今後自分のキャリアを描いていく上でこのままではいけないという危機感があり、言い訳ができない立場へ自分を追い込むことをしなくてはならないという危機感があったということが挙げられます。

決意が固まってからは、すぐにその旨を会社に伝え、お互いが納得した上での退職となりましたが、やはり相当な不安やプレッシャーがあり、今にして会社員が如何に守られた立場であるか痛感していますが、無理を言ってやめさせてもらった立場である以上、泣き言も言ってられないといった状況です。

今自分が持っている武器を挙げるとすれば、WEBデザイン(ラフ作成、コーディング、Flash、JS実装など)、ディレクション能力、アクセス解析のノウハウ、少しばかりのSEO施策とWEBマーケティングのノウハウと言ったところでしょうか。個人的には数百万人単位のWEBサービスの運営を任されていたという経験も役に立つかと考えています。

いままでガラケー、スマートフォン関連の仕事がメインでしたが、フリーランスでやっていく以上、仕事の選り好みはできないので、PCやタブレットも視野にいれたマルチデバイスで仕事ができるようにならなくてはいけないので、仕事をしていく傍ら、スキル向上にも注力して行くつもりです。

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大企業ではあまりない話ですが、中小企業ではイチ営業担当が取引先で聞いてきたニーズを商品に反映すべしと、直接商品の開発者やメンテナンス担当者に依頼をかけたりします。しかしこれらの要望を反映したとして、収益性が向上したかと言えば必ずしもそうではなく、開発にかかったコストや労力に見合わないというケースが多いように思えます。何故、そのようなことが起こるのかについて考えてみました。


その1:充分な市場分析が出来るほどのデータを持っていない

これが一番大きいと思います。例えば30件のクライアントを持っている営業マンがいたとして、そのうち3件同じ理由で失注してしまう、若しくはニーズをヒアリングできると、それは高い確率で他のユーザーも同様のニーズを持っていると錯覚しがちになるということです。確かにその可能性はあります。確率で言えば10%ですし、他のユーザーももしかしたら潜在的にそのような要望を持っているかも知れないので、確かに確固たるニーズが存在する可能性があります。
 ですが、この結果のみを見てニーズがあると断定してしまうことは、早計であると言わざるを得ません。全体のマーケットを考えると、一営業マンの主観で判断するにはあまりにも広すぎですし、データ不足なのは否めません。特定のエリアの特定の客層に対してはそのニーズがあるかも知れないが、掛ける費用を上回る収益が見込めない状況に陥る可能性もあり、実際何度か体験しています。まずは可能性の模索ということで調査をすることから始めるべきです。


その2:潜在的には実はそこに顧客が望むものが存在しない可能性

お客様の声というものは非常にありがたいものではありますが、これが本当に商品開発に役立つかどうかは疑問の余地が残ります。自己啓発本でもかなりの頻度で取り上げられていますし、ご存知の方も多いと思いますが、自動車を開発したヘンリー・フォードの言葉に以下のようなものがあります。

もし私が顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らはもっと速い 馬が欲しいと答えていただろう。

顧客の要望を表面的に切り取ってしまうと、潜在的に抱えている“Wants(ウォンツ)”を見逃してしまうということですね。これは充分にいえることです。特に日本のサプライヤーとカスタマーの関係を見ると、カスタマーの言葉に絶対的とさえいえる影響力があるので、顧客自身が気付いてもいない“Wants(ウォンツ)”を見落としがちになるということにも納得出来る話ではあります。もちろん“Wants(ウォンツ)”を探す目的で情報収集を多面的に行うことは有意義なので情報収集を行ってはいけないということではなく、あくまで先入観にとらわれてはならないということです。 

その3:駆け引きの材料として考えられている

大枚をはたいてまで購入をしたくないが、まるっきり興味がないこともない。そういうときに相手の反応を見るために、言い方は悪いですが“ケチ”をつける可能性もあります。要はクリティカルに必要な機能ではなくても、機能の不備によって値下げ交渉を優位に進めたいということなんですが、見に覚えがある人も少なくはないでしょう。
普段提案を掛けている取引先は様々な業者から提案を受けますが、会社の看板を背負って応対している以上、いわゆる社会人らしい態度は必要であり、お断りする場合にも一応理由は伝えますし、興味があって値切りたい場合でも馬鹿正直に安くしてとはなかなか言い出せないというのが通常でしょう。値切りたいときは値下げを要求するのにふさわしい理由を見繕ったりします。特に他社の類似商材にはあって、提案された商品にはなかった場合などは絶好のチャンスともいえます。この場合、相手は本当にその機能を必要としているのではなく、単に少しでも安くしたいだけなのに、機能追加を行って金額を下げずに提案しても相手に刺さらないことは想像に難くありません。きっとそのとき取引先の担当者は、「機能改修をしている間に、競合の商品を導入してしまった」と言って断るでしょう。少なくとも僕ならそう言う。


その4:売れない理由をまず商品に求めることの弊害を招く

善し悪しだと思いますが、プロパーで営業活動を行う企業のうち、商品改良に力を入れる会社と、営業手法に力を入れる会社の二種類が存在し、僕はいくつかの就業履歴のなかでどちらのタイプの会社にも属したことがありますが、いずれも極端だと感じました。
営業手法に力を入れる会社では、当然社内リソースの多くを営業に割いており、商品開発にコストを掛けるより所謂“営業力”向上を考えます。如何に世間とのニーズとずれがあっても、顧客が納得すればよいという発想に基づく営業方針です。
翻って商品改良は、営業のリソースはそこそこに、自社である程度商品開発が出来る体制が整っている場合が主です。これは自社内でコスト部門を抱えているとも言えるため、売れない場合には商品を改良するという発想が先んじます。
これはどちらもスタンス自体は別に悪いことではないと思いますが、極端になりがちであるということは否めなません。営業主体では商品とニーズの乖離にも限度があり、最終的には売るために滅茶苦茶な営業トークをしてきたりすることもありますし、商品改良を主に考えると、売れない理由を営業マン自体が考えることをしないので、いつまでも営業スキルが伸びず、却ってコストばかり嵩むことになります。
 会社としてはどちらもどっこいどっこいのような気もしますが、営業マン単体を鑑みると、営業マンは売り方について知恵を絞るほうが真っ当な気がします。 


いきなりどうした?という内容ですが、思うところがあったのでつい。
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副題にWebディレクターと題しておきながら、ここ最近はガジェット関連の記事ばっかり書いており、その甲斐あってか、このブログに訪れる方の大半がガジェット、特にXperiaの情報を求めてやってきます。僕の仕事観(?)に興味がある人がどれだけいるか甚だ疑問ではありますが、先日感じたことを残しておきたいと思い、記事にしています。

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おそらく誰もが経験しているであろう、美容室・理容室で髪を切りにいって、その仕上がりを見たときに「考えていたのと違う」と思いつつも「これで大丈夫ですか?」と聞かれると「エ、エエ、イイカンジデスヨー」と力なく答えるアレ。ちょうど先日まさにそういう感じになったのですが、このようなことは珍しくもなんともなく、取り立てて記事にするようなことでもないのですが、ふと自分の仕事に置き換えて考えたわけです。

WEBディレクターと名乗っていますが、小さな会社であるため、ディレクションだけやっていれば良いというわけではなく、WEBデザインも当然のように兼任しています。WEBデザインを制作するときは、当たり前ですがまず最初に打ち合わせを行います。打ち合わせでは以下のことを確認していきます。

  • サイトのテーマ、やりたいこと
  • どういった印象を持たせたいか
  • メインカラー、サブカラー
  • 具体的な参考例はあるか
  • 使いたい素材はあるか(写真、コピー)
  • ざっくりとしたレイアウト構成

といった感じです。話し合いの段階である程度、認識をそろえたいのでその場でワイヤーフレームを手書きで書いたりしてあーだこーだ話したりします。その上でキチンとワイヤーフレームを作成し、合意が取れた後にPhotoshopやFireworksでラフ画を作って現物に近いものを確認してもらいます。その上で微調整が済んだ後にコーディングスタートというのが大体の流れです。節目節目でこまめに確認をとる場合が多いですね。

翻って美容師・理容師さんの仕事の流れはどうか。打ち合わせというかヒアリングは必ず行います。その時に上で挙げた項目と似たようなやり取りを行うのですが、しかしこのやり取りが終わったすぐ後に髪を切り始めます(シャンプーが入ったりしますが)。もしここでお互いの認識がずれていたら間違いなく失敗してしまうのが目に見えています。しかも恐ろしいのが一度切ってしまうとやり直せないということです。WEBデザインでも事前にこまめに確認を取っていても思ったのと違うということでリテイクが入ることは多々あります。というかほぼ確実に入ります。その面倒さを知っているが為、事前の確認をしっかり行うことで、少しでもリリース直前の手直しを抑えようとするのですが、それでもリカバーが可能なだけ、実はヌルい状況なのかもしれません。

でも、ノーミスノーコンティニューなのが美容師という仕事のはずなのに、ヒアリングも、その後のコンセンサスも非常にカジュアルです。考えるまでもなく上で挙げたように切ってしまったものはどうしようもない諦めから、あるいは美容師といういわゆるプロのセンスにわれわれ素人が口出しをしても良いのか?という慎ましさ、そして美容室というあの空間がクレームをつけるのにものすごくそぐわない空間であるということ、これらがあわさって「エ、エエ、イイカンジデスヨー」という言葉が半強制的に引き出されるからです。もしかしたら今までミスを犯したことがないと考えている美容師もいるかもしれません。

どんどんタイトルから外れていきますが、言いたいことはここでは美容師と客の間でコミュニケーションが成立していないのではないかということです。コミュニケーションとは意思の疎通ですが、お互いの意思が疎通しているかどうかを確認する手段を設けずにコミュニケーションは成立するでしょうか?いや、切ってるときに止めりゃええやん、という声が聞こえそうですが、メガネユーザーにはほんとにわからんのだよ・・・。後サイドとか後ろとかもわかりませんし、何よりハサミを入れた瞬間にもうどうしようもなくなることもありますしね。

まあここでグダグダと愚痴を言うだけならあんまり意味がありませんので、提案します。

  • ヒアリングシートを使って切る前にコンセンサスを取る時間を持つ
  • パート毎に途中経過を確認する時間を取る(メガネ救済タイム)

というか、これからの美容室はユビキタスということで、ヒアリングした内容を入力したらサンプルモデルが画像として表示されるシステムを開発しよう!(提案)

例えば、始めにざっくりとした形とカラーを選択し、その後、パーツごとに長さを設定して、最後に髪質や量を設定した後に実行ボタンを押すとイメージが表示される仕組み。どうですか?またどこからか「ヘアカタログ見りゃええやん・・・」という言葉が聞こえそうですが、オッサンには美容室においてあるヘアカタログはきついんだよっ!(迫真)それにカタログには細かい情報が載っていなかったりしますので、アレを使ってもその通りになった経験はあまりありませんしね。

長くなってしまい自分でも良く分からないことを書いてしまっていますが、ようは何か形づくる、いわゆる創造性のある仕事を行う上で必要なコミュニケーションとは、自分と相手方と共通のビジョンを持つために行うことを念頭において行わなければならないということで、それは自分にも言えることだと思い、自省の意味をこめて書きました。誰得というのはなしの方向で!

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