独立を志し、4月(正確には有給消化を含めて5月末)に退職してから、若干の骨休めをした後すぐさま事業を立ち上げるでもなく、まずは仕事の幅を増やそうと考えました。

今までやってきた仕事はWebディレクターという職種といい、技術的な面よりも寧ろ人と人の間に立ってプロジェクトを成功させることに重点が置かれていました。Webディレクターで独立している人はいることはいるのですが、やはり在職中に多くのコネを築き上げていた人が多く、あくまで社内プロジェクトを社内メンバー+外注で回してきた僕としてはこの部分について自信はありませんでした。

もとより、前職と同じくWebディレクターを行うのであれば、あまり独立する意味はないと考えていました。仕事を請け負ったとしても、あくまで外部の人間という扱いになるので権限も与えられない、人間関係も案件ごとにイチから築いていかなければならない、といった経験するまでも無く苦労がしのばれるからです。

なので今までの経験は経験として、やるなら今までと違うことをやろうと考えていました。その一つが自分で何かWebアプリを作ってそれを収入源にするということです。

今までWebディレクターとしていくつかのサイトを立ち上げてきましたが、僕自身に何か技術力があるわけではなく、HTML、スタイルシートくらいは出来るとしてもプログラミングについてはまったくの素人であるため、まずはプログラミングが出来るようにならねばと思い、プログラミングの習得を試みました。

プログラミングの習得にあたり、独学というのも考えましたが、決まった時間に決まった分だけ勉強する時間を確実に確保することが重要だと考え、どこかプログラミングを学べる場所はないかと探してみたところ、公共職業訓練でもプログラミング(Javaコース)を学べると知り、それに応募することにしました。

公共職業訓練に応募するメリットは主に三つ、一つは無料で受けられること、もう一つはすぐに失業給付を受けられること(既に受けていた場合でも訓練中は給付を受けられる)、そして最初の二ヶ月は月二万ほどの通諸手当が受けられることが挙げられます。

こうして公共職業訓練に応募するのですが、まず職業訓練を受けるには試験にパスしないといけません。試験内容は実施している地区で変わるかもしれませんが、僕が受けたところは国語と数学と面接が実施されていました。

募集要項には中学卒業程度の問題が出るとありましたが、実際にはもう少し簡単な問題ばかり出題されていました。数学はどちらかというと算数に近いレベルのもので時間だけが問題ですし、国語に至っては日常での読み書きが出来れば充分満点を狙える程度のものでした。面接は一人当たり5分程度で質問内容は3点で僕の場合は、

  • 職業訓練を受ける目的
  • どういう職種に就きたいか
  • 訓練中の就職活動についてどう考えているか

という内容に加え、質問はあるかというものでした。面接についてはあまり自信はありませんでしたので、もしや落ちるかもと考えていましたが、何とか合格していました。(後に聞くとプログラミングコースはかなり倍率が低いらしく、時には志望者≒定員ということもあるそうです

こうして3ヶ月の職業訓練が始まることになりました。ネットで検索すると職業訓練では殆どスキルが身に付かないだとか失業給付を伸ばすためのものといった、あまりポジティブとは言いがたい内容が多く出てきますが、個人的には受講してよかったと感じています。確かに専門的なコース、特にJavaプログラミングコースだと3ヶ月でかなりのことを詰め込まれるし、付いていけない人も多かったですが、それでも独学でやるよりも随分とスムーズに学習できたと感じています。因みにJavaプログラミングコースは3ヶ月で

  • プログラミングの基礎(データ型、制御文)
  • オブジェクト指向
  • GUIプログラミング
  • サーブレット(jsp、HTML等含む)
  • データベース
  • 卒業課題作成

を学ぶことになるので、習得するにはかなりの覚悟が必要になります。それでも環境構築の仕方から用語の意味、プログラムの手続きの流れを初心者向けに無料で解説してくれるという機会はとてもありがたいことだと思います。それに僕自身はプログラムを学ぶことがとても楽しかったので、3ヶ月で考えていた以上に色々と出来るようになり、自信にもつながりました。

独立を考えている人もそうでない人も、会社を辞めた後は職業訓練を受けてみることをおススメします。